紙日庵について

■侘数寄の思想と情報化社会
 
 「紙日庵」は、嘗て豊臣秀吉が、聚楽第に千利休をして創らせた「草庵」の現代版茶室であり、組立式で持運び可能な茶禅一味の実践空間です。
 「草庵」は人が有す五感を研澄まし甦らせる禅の空間であり、人の心を俗世から切り離し、禅が意味する無の状況になれる要素を内在します。
 多くの”もの”が溢れ、様々な情報が飛び交う現代。スマホ等の普及で現代人は考える事、感じる事すらしなくなり、溢れる情報に操られ周りと同調
する事で流される社会。自らが物事の本質を五感で感じ、見極め思考し判断する事も無くなり、その力も衰退するばかりです。
 日本文化に伝わる「茶禅一味」の空間提供は、このような情報化の現代社会に於いてこそ必要ではないでしょうか。

■思考力、判断力と五感の関係

 人間の五感(視角、聴覚、触覚、嗅覚、味覚他)は、思考力や判断力に大きな影響を与えます。五感は外部環境の情報を収集し、脳がこれを処理・解
釈して意志決定を行うための重要な基盤となります。
 五感が思考や判断に与える総合的な影響は大きく、周りの状況や感情に流されない思考力、判断力を身に付けたいものです。茶禅一味の空間では、無
の心から「自然の法則」と繋がる気付きが得られ、本来の思考力、判断力が培われます。
 五感を意識的に活用することで潜在能力を覚醒させ、物事の本質を見極めた判断力や思考力をより効果的に引出すことが可能になるからです。
 そのことが、「茶禅一味」の非日常空間である「紙日庵」を社会へ送りだす理由です。人間の欲に左右されない平穏な社会を願います。

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